2014年6月23日月曜日

2014年に買って良かったアルバム 菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 戦前と戦後




菊地成孔のいくつかのメインプロジェクトの一つであるペペ・トルメント・アスカラールの4枚目。ではあるが、収録楽曲のほぼ全てで菊地自身がボーカルをとっており、こういった内容のリリースは初めて。

戦前のジャズ歌謡からもはや戦後どころでは無いほど遠くに来てしまった80年代のいわゆるJーPOP直前の歌謡曲、そしてジャズの歴史を踏まえ、菊地曰くジャズの孫であるHIP-HOP、RAPまでを咀嚼し、いつの日か戦前と呼ばれるであろう現在に作られた作品。


決定的な衰退から逃れるために伝統芸能化した所謂皆がイメージするジャズのような音もあるが、キャプテン・ビーフハートやジョン・ケージを意識的にしろ無意識的にしろ通過した後の私たちの耳にはすんなりでは無いかもしれないが入ってくる音である。し、SIMI LABからOMSBそしてDyyPRIDEが参加しており、ヘッズにも対応していると思う。さらに、ポップソングとして超一級のクオリティを持つ楽曲まで含まれており、ほぼ全方位対応と言った印象。

歌詞でも彼の思想やアルバムのコンセプトについては仄めかされてはいるが、全てを歌詞やアートワークで表すといった野暮で無粋な映画やバンドマンのような真似はしていない。

0 件のコメント:

コメントを投稿